冬に多い家でのトラブルと対応

冬に多い家のトラブルは、外の気温の低さと家の温度の寒暖差が原因となるものが多くみられます。今回は中でも特に多いトラブルを挙げました。寒い冬を快適に過ごすためにも、是非ご覧ください。

トラブル1.冬は要注意なヒートショック

冬場になると耳にする機会が増える「ヒートショック」。急激な温度の変化によって引き起こされ、血圧が急激に変化したり、脈拍が早くなり、突然死や心筋梗塞・脳梗塞を引き起こす要因です。特に冬場のお風呂・脱衣所・トイレで発生し、高齢の方や持病を抱えている方は注意が必要です。

ヒートショックの対処法

ヒートショックヒートショックを予防するための基本は、家の中の温度差をできるだけ少なくすることです。最近の家では、浴室に浴室換気暖房乾燥機があることも珍しくなくなってきましたが、築年数が経っている家だと暖房設備のない家もあります。

ヒートショックの発生件数が多いお風呂場・浴室で身近なもので手軽にできる対策は以下の方法です。

  • 脱衣所に暖房器具を設置して、温度を上げておく
  • 浴槽の蓋を外す、暖かいシャワーをお風呂場内にまくなどして、お風呂場の室温も上げておく
  • 浴槽に入る前に、手足を洗ったり、暖かいシャワーを浴びるなど体の体温を上げる
  • 飲酒後の入浴は控える

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トラブル2. 結露の発生

木造住宅の大敵と言われる結露。外気温が下がる北陸・新潟の冬は一年で最も結露が発生しやすい時期です。最近の木造住宅では気密性が向上したことや、外壁や天井裏に断熱材が敷かれているため、結露が発生しやすい構造にもなっています。

一度結露した木材が乾燥するまでには時間がかかり、日の当たりにくい場所はさらに乾燥しにくいためカビ等の菌が発生しやすくなります。症状が進むと、建築材料が腐り住まいの寿命を縮めてしまいます。

結露の影響は住宅だけでなく、家に住む人にもあたえます

結露から発生するカビは人の健康にも影響を与えます。例えば、カビは呼吸器疾患を引き起こす原因として認識されています。子どもの場合は、気管支喘息、高齢者なら肺炎が代表的な例です。

結露

結露の対処法

結露は外気温の低さや換気が足りないことが原因で発生します。

室内の最適な環境の目安は「温度20℃、湿度50%程度」

「温度20℃、湿度50%程度」の環境であれば、カビやダニが発生しにくくなります。結露をできるだけ抑えるためにできることを挙げます。

  1. こまめに窓を開けて換気を!
  2. 乾燥を防ぐための加湿器の使用は、できるだけ控える
  3. ホコリや汚れなど、カビの栄養源となるものを除去するために、こまめなお掃除にも効果が
  4. 結露を見つけたら早めに拭き取る

カビ対策には、日の当たらない北側の部屋が特に重要です。冬にカビが生えやすいのは、北側の部屋に多いこともお忘れなく。

結露を起こしやすい「開放型暖房器」

暖房器石油ファンヒーター
暖房器石油ファンヒーター

暖房器具には、結露を起こしやすいタイプとそうでないものがあります。結露を起こしやすいのは、「開放型暖房器」と呼ばれる、室内の空気を使って燃料し、燃えた後の排気ガスを室内に出すタイプの暖房器具です。

例えば、石油ストーブ、石油ファンヒーター、ガスストーブ、ガスファンヒーターが「開放型暖房器」にあたります。石油を燃料とする暖房器具の場合、石油を1L燃焼させると1Lの水が生成され、水蒸気となって空中に放出されていることになります。特に気密性や断熱対策が行われている家では、温度差のある冷暗箇所に結露を起こしやすくなるので使用を避けたほうが良いでしょう。

結露が見られる家では「床暖房」「蓄熱暖房」「暖房エアコン」「FFストーブ」「温水パネルヒーター」等で室温を上げることをおすすめします。

トラブル3. 24時間換気システムで過乾燥

上記の2点目で挙げた「結露対策」で石油暖房を使わずに床暖・エアコンのみを使用し、さらに24時間換気していると、今度は「過乾燥」になる家があります。

家の温度と湿度の管理は難しいのですが、最近の住宅の場合は、高気密・高断熱で建てられているため「過乾燥」になりがちです。旧来の在来工法の住宅の場合は「結露」の問題が発生する傾向があります。

過乾燥の対処法:

空気清浄機能もある加湿器などを設置することをお薦めします。また、室内の湿度を調整してくれる「観葉植物」などの植物を部屋に置くことや、洗濯物の室内干しも住宅に適度の湿気をもたらしてくれます。

冬の乾燥は、美容の大敵ですし、インフルエンザや風邪も引き起こしやすくなるので避けたいですね!今年の冬、是非お試しください。