家族の変化で住まいが変わる「減築」編

子どもが巣立つ、両親の死去などで、家族の構成は歳月と共に変化します。すると、これまで住んでいた住宅にも色々不便が…。これを解消する方法として、「減築」を紹介します。

減築とは

「減築」とは、建物を改築するために床面積を減らすこと。子どもが独立した後の夫婦が部屋数を少なくして使いやすくしたり、住宅の総重量を減らして耐震性を高めるなどの目的で行われます。

建築業界では以前から使われていた単語ですが、一般に使われるようになったのは10年ほど前からです。
かつてはリフォームといえば増改築でしたが、現在はリノベーションの選択肢の1つになっており、メーカー側がリフォーム相談で減築を進めるだけでなく、施工主から減築を求める声も出ています。

減築のメリット

実際に減築をした人の声を、以下に記します。

  • 「部屋の掃除が楽になった。」
    同居していた両親が亡くなり、夫婦二人きりの生活に(子どもは独立)。2階はほとんど使わず物置状態だったため、ホコリも溜まり掃除が一苦労でした。
  • 「両親が大事にしていた家で、地域への愛着もあり、引っ越さずに済んだ。」
    住まいの規模縮小を考えた際には、住み替えも考えた。でも減築だと住み慣れた土地を離れずにすみます。
  • 「生活スタイルに合わせて、住みやすい住宅にできる。」
    同じ敷地内で1人暮らしをしていた祖父が亡くなったのを機に、老朽化が激しかった住宅を解体。後、空きスペースができたため自宅のリビングを広げ、解体で仏間がなくなった代わりに仏壇を置く和室を作りました。広い家を残しておいても、自分たち夫婦が年を取ったときには必要ありませんから。

減築のデメリット

減築をするには、デメリットも把握しておかないといけません。

  • 建物の工法によっては、減築できないケースもある。
  • 工事期間中は仮住まいが必要。このための物件を探す手間と時間、お金が必要。
  • 本格的な減築には、1000万円以上の高額な費用。家作りをもう1回行うという覚悟が必要かも。

まずは、信頼できるリフォーム会社を見つけることが大切です。

減築に踏み切るのは、高齢化が進み、定年退職後に夫婦二人で暮らす期間が長くなったのが一因。夫婦でよく話し合って、快適な住まいを作っていただきたいものです。ちなみに子どもからすると、親が「将来住みたがるかも」「泊まりに来るかも」と考えて広い家を残しても、持て余すのが実情なので、その辺も考えてくれると嬉しいですが。