耐震診断とホームインスペクション(住宅診断)の明確な違い
2016年4月に熊本地方を震源とする地震が発生してから、耐震診断、耐震改修の問い合わせが増えております。今回の記事では、混同されがちな耐震診断とホームインスペクション(住宅診断)の違いについてご説明します。
目的が違う耐震診断とホームインスペクション
結論からまず述べると、耐震診断とホームインスペクションは、検査項目はほぼ同一ですが、目的が違うため、報告内容が全くもって変わっています。
耐震診断は、「耐震性が基準値以上か以下か」を報告し、ホームインスペクションは、「部位ごとの劣化・不具合項目」を報告・アドバイスするサービスです。
耐震診断とは
耐震診断とは、一級建築士、二級建築士などの資格を有する者が、現行の耐震基準に比べて、建物の耐震性が強いか弱いかを調べることを言います。
現地調査をし、劣化度、壁量、住宅形状(バランス)などを数値化し、シミュレーションを実施します。結果については、報告書を依頼者へ提出する流れとなっています。
耐震診断の検査項目
具体的な検査項目としては、
- 地盤の目視調査
- 基礎コンクリートの状態調査
- 床下換気の状態
- その他内外部の劣化度を検査します。
また、小屋裏・床下などに潜り、筋違いの有無、金物の有無などを検査します。
耐震の安全基準
安全とされる基準は、Iw値=1.0以上とされており、この数字以上であれば、建築基準法の基準を超え、震度7の地震が起きた場合、建物が倒壊しないとされております。ただし、直近で発生した熊本地震では、平成12年以降に建築された新築住宅(現行の耐震基準)も一部、全壊、半壊となった例もあり、震度6-7クラスが複数回発生した場合は、必ずしも100%安全だとはいえません。
ホームインスペクションとは|中古住宅売買時に実施編
一方のホームインスペクションは、建築士、施工管理技士、または検査業務の経験を有す者が、目視等で現況調査を行い、構造上の安全性や、経年での劣化事象等の有無を調べることを言います。結果については、劣化箇所、対策について報告書にしてまとめて依頼者へ提出します。
ホームインスペクションの検査項目とは
ホームインスペクションでは、劣化度・不具合を部位ごとに検査をしております。
例えば、雨樋の場合、樋受け金物の錆び等は、耐震診断でも調べますが、詰まり等はホームインスペクションでしか調べません。また、設備・建材の検査(排水のつまり、水漏れ、開口部サッシ・ドアなどの開閉状況)なども実施します。
ホームインスペクションの依頼方法
北陸エリア(富山・石川)にてホームインスペクションを希望される方は、OSCARまでご依頼ください。お申し込みは、インスペクション専用ページからお願いします。
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