建築士が教える断熱リフォームの基本 【第三回】天井高と寒さの関係!天井と小屋裏の断熱対策編

リフォームで寒さ対策として行われる「断熱リフォーム」についての連載記事。全ての記事をご覧になりたい方はこちらへ。

第三回目は、理想的な天井の高さと、屋根の断熱対策についてお伝えする、「天井高と寒さの関係!天井と小屋裏の断熱対策編」です。

理想の天井高は?高い天井は暖房効率が悪い?

m1yonezawa20111125
暖かい空気は、比重が軽いため天井付近に集まります。

昔の工法で造られた古民家などでは、2階の床板を1階の天井材として見せることもあり、天井高が3m以上という家も多くあります。

天井が高い場合、暖房器具で暖めても天井付近ばかり暖かくなります。そのため、天井高は、2.4m~2.5mに設計すると部屋の圧迫感もなく、暖房効率が良いと言われています。

現在では、階高(床面からすぐ上の階の床面までの高さ)を2.8m前後とし、梁下(はりした)に吊り木と野縁(天井板を張るために使われる細長い横木)で下地を作り、仕上げ材を張る工法が一般的です。そのため、天井高は2.4m前後で仕上げることが多くなっております。

北陸でリフォームする場合、天井に敷く断熱材の厚みは何cmがベスト?

P1170227-790x600

天井に敷く断熱材の性能次第で、暖房効率に大きく影響を与えます。天井にグラスウールなどを敷き込みする場合、前回の記事で説明した、政府が提唱し、家の性能の基準とされている「次世代省エネ基準」を参考にすると良いでしょう。

「次世代省エネ基準」の北陸地域の基準をクリアするためには、ハウスロン天16KHG商品を使用した場合、厚み155mmで基準をクリアできます。

暖かい空気が天井から逃げないように、断熱性能と気密性を向上させましょう。

天井断熱と同時に配慮すべきは、小屋裏部分の換気

天井にグラスウールなどの断熱材を敷き込みしたら、小屋裏空間の換気対策をおすすめします。

小屋裏では屋根からの熱が伝わります。この熱を逃がす対策をしないと、小屋裏で空気がこもってしまいます。空気を停留させてしまうと、湿気により家が傷んだりする原因にもなります。

小屋裏換気の一般的な方法

0143_FVGC1516_0170
画像:フクビ化学工業

屋根妻壁側に換気口を設けることで、小屋裏にたまった熱・空気を排出することができます。また、妻壁がない場合は、屋根の棟部分に換気口を設ける対策をしましょう。

次回は、第四回目「断熱リフォームの工法と断熱材の種類編」となります。お楽しみにしてください。

「建築士が教える断熱リフォームの基本」特集記事一覧