建築士が教える断熱リフォームの基本【第二回】床の寒さ・断熱対策編

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第二回目の今回は、床の寒さ・断熱対策編です。

足元が寒い家におすすめなリフォーム

リフォームの相談で、窓の隙間と同様に、足元が寒いという相談もよくあります。

昔と比べ大幅に向上している現代の断熱技術

昭和50年代の住宅では、旧工法の床組み(大引+根太+フローリング)が一般的でした。

現在の住宅では、2重張り工法(旧工法と同じ、大引+根太+フローリングに下地合板を加えたもの)により剛性を高めて、さらに気密性を高める仕様になっております。

また、断熱材も押出ポリエチレンフォーム(ポリエチレン樹脂に発泡剤を混ぜたもの)が一般的になり、断熱性も向上しています。

古い住宅のリフォームをする場合、現在の住宅で一般的に使用されている断熱材を使って断熱リフォームを実施することで、足元からの冷たさ・寒さを軽減することが可能です。

次世代省エネ基準に適合した床下断熱リフォーム

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画像:株式会社JSP

床の断熱リフォームを行うときにまず重要なことは、次世代省エネ基準を満たした高性能な素材を使うことです。次世代省エネ基準について詳しく知りたい方はこちら「一般社団法人日本サステナブル建築協会」ウェブサイトへ

部屋全体の断熱性を高めるためには、床に次世代省エネ基準に適合した断熱材を入れることが重要です。床などを床組からやり直す場合は、根太と根太の間に、押出ポリエチレンフォームを隙間なく断熱材を敷きこみ、床を壊さない場合は、床下から発泡系ウレタンなどの断熱材を吹き付けます。

例えば、住まいるオスカーで採用しているJSPの断熱材「ミラフォームラムダ」では、50mm厚の製品を敷くことで、政府が出している次世代省エネ北陸地域の基準を満たすことできます。(在来工法の場合)

※新築住宅では、改正省エネ基準(平成25年基準)が発表されており、従来の省エネ基準+消費エネルギー計算が必要となり高性能な基準となっていますが、リフォームでは次世代省エネ基準を目安に考えると良いでしょう。

床暖房をプラスして足元からポカポカに

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断熱リフォームを検討する場合は、暖房についても一緒に考えることをおすすめします。

北陸地域では、冬は氷点下になることも珍しくなく、暖房器具が欠かせません。今回紹介した断熱リフォームは、床暖房リフォームと同時にすることで、多くの場合、工事のコストを削減することが可能です。

また、断熱材の保温効果により、床暖房の暖かさをより長い時間キープすることができます。

次回は、第三回目 天井高と寒さの関係!理想の高さと断熱対策編となります。お楽しみにしてください。

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