3世代ならぬ4世代同居、どんな暮らし?

長寿社会の日本。最近は3世代(祖父母・父母・子)ならぬ、4世代(曾祖父母・祖父母・父母・子)同居もあります。単身世帯が増える中、その逆を行く4世代同居。どのような暮らしでしょうか。

同居のパターン

厚生労働省によると、日本人の平均寿命は、女性は86.99歳で男性が80.75歳。平均寿命の延びが、4世代家族を作っているといえます。

同居のパターンとして見られるのは、「娘夫婦と親・父母世代の同居」と「息子夫婦と親・父母世代の同居」ですが、「息子夫婦」との場合はやはり嫁と姑の関係に配慮が必要です。もちろん「娘夫婦」との場合も、親しき中にも礼儀ありですが。

同居者の声

実際に4世代同居をしている方の声を、集めました。

「子ども達が学校に行く前の30分や帰宅後を、おやつを食べたりテレビを見たりと皆で居間で過ごします。家族が世代で区切られている気がしません」

「優しい曾祖母・叱る祖母・『自分で考えろ』という祖父…多くの大人に囲まれて育つメリットはとても大きいです」

「共働きで、子どもの保育園の送り迎えを私(夫)の父母が担当します。祖母は子どもを送り出すときと迎えるときは自宅で待っています。『本当にかわいい。ひ孫が生きがい』と目を細めてくれています」

4世代同居、上手くいくコツ

上記のように円満な生活を続けるには、当事者間の気遣いだけでなく、住宅の間取りも関係します。

例えば、玄関。子世代と親世代で2つに分ける。ただし、玄関付近にお互いの住まいをつなぐ扉を作る。また、玄関は1つで共用にするも、勝手口を作りそこを子世帯の玄関も兼ねるようにする。

その他、日中を自宅で過ごす祖父母・曾祖父母世代の部屋は、日当たりの良い心地よく過ごせる場所に作る。上下階で水回りやLDKの位置を揃え、入浴やテレビの音で、就寝の早い親世帯に迷惑をかけないようにする、などです。交流とプライバシーのスペースの線引きをしっかり行うことが、上手くいく秘訣のようです。

旭化成ホームズ二世帯住宅研究所は、「育児だけでなく高齢化で介護の重要性が高まると、多世代で住む傾向が強くなるのではないか」と伝えています。
引用:日本経済新聞(夕刊)「4世代同居 暮らし拝見」(2017年5月9日)

家族の形は様々。4世代同居も浸透していくかもしれません。