知っておきたいリフォーム基礎知識。契約時に必要なこと

リフォーム業者を決定したら、契約を結びます。口約束では後々トラブルに発展する可能性があるので、小規模工事でも必ず契約書を取り交わしましょう。必要なのは、「確認」です。

契約時に必要な書類と確認事項

契約書には通常、金額の合計や工期など基本的な事項のみ記載されており、詳細は添付書類で確認します。以下に、契約時に必要な書類と確認事項を記しました。

請負契約書 契約者、契約金額、工期支払時期と方法等を確認。
請負契約約款 契約に関する細かい約束事。遅滞損害金や瑕疵担保責任、紛争の解決方法など。
見積書 契約金額と明細を記載。設計図書と照合し、内容・工事範囲を確認。
設計図書 平面図等の設計図、各部屋の内装仕上材一覧を記入した仕上表など。打合わせで決めた内容が、盛り込まれているか確認。
打合わせ記録 いつ何が決定されたかの記録。打合わせの都度作成。

参考資料:一般社団法人住宅リフォーム推進協議会・国土交通省住宅局『マンガでわかる住宅リフォームガイドブック』(平成28年8月版)P13

建設工事の契約請負においては、法律により、全ての工事で所定の事項を記載した契約書面を交付しなければなりません。

しかし、現状のリフォーム工事、特に小規模なものでは契約書を取り交わさない、またはあいまいな内容による契約や安易な変更などによるトラブルが多く発生しています。住宅リフォーム推進協議会のHPでは、工事に関する標準契約書式をダウンロードできるので、活用してください。
住宅リフォーム工事標準契約書式集のダウンロードはこちら

工事請負契約書、ここに注意!

工事請負契約書を確認するときは、以下の点に注意しましょう。

  • 工期:
    工事開始のどのくらい前から、片づけなどの受け入れ準備が必要か。
  • 請負者:
    事業者の社名・電話番号・所在地・担当者など。
  • 請負金額:
    請負金額以外に、別途費用が発生しないか。
  • 添付書類:
    工事内容を補足するために、何通の書類を出したか。見積書以外に、請負契約約款・打ち合わせ記録・設計図書はあるか。
  • 支払方法:
    数回(例:契約時・中間時・完成時)に分割払いする場合は、出来高に応じた適切な支払い条件となっているか。特に、前払いの場合は、過度な前払い金となっていないかなど。

参考資料:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会『安心・快適住宅リフォームハンドブック』P26

見積書、ここに注意!

見積書を確認するときは、以下の点に注意しましょう。

  • 見積もりは2回取る:
    事業選定時の「概算」と、契約段階の「最終」
  • 使用材料:
    希望した銘柄、仕様のものが使われているか。
  • 「一式」の内訳:
    極端に高い金額が「一式」にされている場合や、数量や単価を出せるものが「一式」になっている場合は要注意!明細で確認を。
  • 「諸経費」の内訳:
    諸経費としてどのようなものが含まれているか。
  • 解体・廃棄物処理費:
    廃棄物の処理方法や処理費用がきちんと含まれているか。
  • 有効期限:
    見積書の期限は、通常1カ月程度。あまりに短い期間が書かれていたら、理由をたずねる。

上記のように確認ポイントを出しましたが、それでも適正なのか判断できないこともあります。そのようなときは、財団法人で住宅専門の相談窓口の【住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル®」】に電話してアドバイスをしてもらいましょう。こちらでは、

  • 根拠が不明な項目や二重計上等がないか。
  • 一般的な工事単価などとかけ離れた額になっていないか。
  • 見積書と図面の工事内容が合っているか。
    などを確認してもらうことができます。

住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル®」の連絡先

  • 電話0570-016-100または03-3556-5147
  • 受付時間10:00~17:00(土日祝休日、年末年始除く)